給与明細の「所得税」欄、まず源泉徴収と年末調整のしくみを知る - 給与明細 知って得するこの見方


給与明細の「所得税」欄、まず源泉徴収と年末調整のしくみを知る


サラリーマンの給与明細、所得税の見方を語る上ではずせない車の両輪が、「源泉徴収制度)」と「年末調整」です。

新入社員はともかく、勤め人の方ならばすでにどういったものかだいたいご存じとは思いますが、あらためて説明してみましょう。


まず「源泉徴収制度)」ですが、これは会社がサラリーマン個々人に代わって税金を計算し、代わりに国に納めてくれるというシステムです。

ちなみに源泉徴収は日本独自の制度というわけではなく、アメリカやイギリス、ドイツなど海外で採用している国も珍しくありません。

ただし「源泉徴収」をもう一方の「年末調整とセットにして会社に義務づけているのは、どうやら世界でも日本だけのようです。


「会社が全部やってくれるから、楽でよいわ~」という面も、確かにあるにはあります。

自営業者やフリーランスが行う確定申告は、申告する本人がマジメにやろうとすると、人生の貴重な時間を多大にとられてしまう実にシンドイ作業ですので。


ただしこのような制度がある本質的な理由は、仕事で忙しいサラリーマンに国が同情してやってくれているわけではモチロン無く、税金を取る側が、取るべき金額をもれなくしっかりと捕捉するのにもっとも都合がよいからです。

サラリーマンが源泉徴収されている限り、税務署の税金捕捉率はほぼ100%

サラリーマンの税金捕捉率を10とすると、自営業者が5、農家が3くらいということで、「トーゴーサン(10・5・3)」という呼び名などは、広く知られていますよね。





源泉徴収はあくまで会社に義務づけられた制度で、サラリーマン個人の納税義務とはまた別の、独立したシステムです。

ですから、仮に会社が、源泉徴収をした分を税務署に納税しなかった場合、追求されるのはそのサラリーマンではなく、納めなかった会社のほうとなります。

税務署もサラリーマン本人にではなく、会社のミスとして会社に対し修正を求めます。

それではその源泉徴収をまかされた会社は、どうやって月々の給料から所得税を差し引いているのかというと、意外とシンプルなやり方になっています。


タテ軸に社会保険料などを引いた給料の額、ヨコ軸に扶養家族の人数をおいた「給与所得の源泉徴収月額表」というものを、国が定めています。

給与所得の源泉徴収月額表 【PDF】 (国税庁)

このような表にもとづいて、あなたの場合のタテ軸とヨコ軸の該当するマスをそれぞれたどって、該当する金額を月々の給料から差し引いているに過ぎません。


難しくない作業とはいっても源泉徴収を行うのは人間(といっても、いまやパソコンの仕事ですが)ですので、入力ミス・カンチガイその他で、間違いが生じることもないとはいえません(事実、あちこちで源泉徴収時における取りすぎや不足のケースが生じています)。

この場合は、会社の経理部なりに文句をいって修正してもらうことになりますが、たいていは大事に至らずに終わります。


なぜなら、アバウトな計算で月々天引きされていた税金の過不足を正し、正確な納税額へと金額調整する年末調整」が、一年の終わりの12月に控えているからです。

源泉徴収段階での取りすぎや漏れも、すべてこの年末調整で精算すればよいからですね(ただし会社にも言って、次回からきちんとやってもらう必要もありますが)。


年末調整を受けるサラリーマンの割合は、日本の全会社員の9割にも達するそうです(残りの1割が申告納税」をしているということですね)。

源泉徴収では、ふつうは月々の所得税をやや多めに取るようになっています。

当然ですね。日頃は少なく所得税をとっておいて、確定申告で残りの税金を納めてもらうようなシステムを組むほどに、税務署はお人好しではありません(笑)。


したがって、一年間の収入が確定する12月に年末調整をすると、12月の所得税はたいていの場合少なくなるはずです。

そのぶん12月の手取り金額が増すので、年の瀬になると多くのサラリーマンは、年末調整でいくら戻るかをひそかに期待しているわけです。


源泉徴収と年末調整の見方についてはもう少し、次のコラムで話を続けます。




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